今日はアジを紹介します。
アジは鯵と書きます。鯵の由来には諸説あるようで、江戸時代に新井白石が「味が良いから鯵といへり」と言ったとかあります。(新井白石に遭ったことがないのでわかりませんが）
アジは日本人に馴染みのお魚です。昭和の時代は人気の魚でしたが、平成の現在ではブリやサーモンにとって変わられてしまったお魚でもあります。いまの若い子は寿司屋に行けば、サーモン・イナダ・マグロを食べます。
本当はスゴく美味しい魚なのですが、一部の回転寿しなどでは正直言って鮮度が悪く、青魚特有の臭みが強いです。子供の頃の最初の時期に、この鮮度の悪い鯵を食べしまうと一生鯵が美味しくない魚だと誤解されてしまいます。
でも、本当はすごく美味い魚です。活け造りで食べれば、弾力のある歯ごたえとほどよい香りを放つ青魚の脂を楽しめます。寿司では適切な処理を行い、熟成させ、旨味を最大限に引き出した鯵は、臭みもなくまるで中トロのようです。
関東のスーパーなどでは長崎県産の鯵が並んでいますが、あれは美味しくない。スーパーは安定供給のために(いつスーパーに行っても鯵がいるということ)安く大量に仕入れることのできる契約をしますが、そのために関東の方や都市部の方は美味しくない鯵を食べてしまう結果になっています。
鯵は青魚ですから、鮮度が大事です。できるだけ早めに食べるか、神経抜きや活け締め、血抜きなどの処理をしないと臭みが出ます。
本当に美味しい鯵を食べたいなら、良い寿司屋に行くか、鯵の有名な長崎のごん鯵、大分の関アジ、千葉金谷や小田原の金アジ、などの名所に行かないと喰えなくなっています。
他にも自分で釣りをするという方法もあります。これはかなり上級者ですが、自分で締めれば本当に美味い鯵が食べられます。
鯵には大きく２種類
鯵には「マアジ」と「ムロアジ」がいます。
関東のスーパーで売られているのは主にマアジです。
一方、漁港近くの魚屋などではムロアジに近い「青鯵(マル鯵)」「目鯵」などが売られています。
特に見分けが難しい「マアジと丸アジの違い」の見分け方は「ぜんごのカーブ」などです。
またマル鯵では全体的にほっそりとして長細い。
特に漁港の直売なんかに行くと、マアジとマル鯵の値段は大きく違います。丸アジの方が値段は安く、マアジの半分程度のこともあります。
たまに丸アジをマアジと書いて売っているスーパーがありますから、注意して下さい。
ちなみに丸アジも美味い魚ですが、若干血合いが大きいです。それでも焼いても、煮ても食べられる魚です。
マアジの種類
同じマアジでも２種類います。１つは回遊性のアジです。もう１つは居着きのアジと呼ばれ金アジなどとも呼ばれます。
この違いは、回遊性のアジは身が締まっており、やや黒い色をしています。スーパーなどで見かけるアジはこのアジです。
居着きのアジは、プランクトンなどの餌が豊富な場所に居着くようで、そのため脂がのっており刺身で食べると絶品です。有名な場所には千葉の金谷および東京湾、小田原の金アジ(定置網の二宮沖か)、あとは大阪湾も脂が乗っていると聞いたことがあります。
人間であれば何もしないで餌ばっかり食べていれば、ノケモノ扱いされるところですが、アジはじっとして餌ばっかり喰っている方が重宝されます。
アジの食べ方と料理
アジは「刺身・たたき・なめろう・つみれ・焼き」何でも向いているオールマイティーな魚です。
鮮度が良い物は刺身やたたきが美味しいです。
アジの鮮度は目の色が黒々として光っているもので濁っていないこと、またエラが真っ赤であること、魚体につやがあり光っていることなどを確認します。
また、アジの産地との距離も大事です。関東の場合は長崎県のアジはどうしても輸送の関係上、時間がかかります。空輸をすれば別ですが、陸路では１日はかかってしまいます。
関東の方は神奈川県や千葉県のアジの方が鮮度の良いアジに出会える確立は高いです。
しかし、スーパーでは海近くの町で無い限り、関東近海で採れたその日に魚屋にのせることは難しいです。
もし鮮度の良いアジを買いたいならば、千葉の館山、神奈川の三浦半島、湘南、西湘小田原などの魚屋に出向く覚悟がないと美味しいアジは集めにくいです。
あるいは静岡県の沼津市の内浦ではアジの養殖をしています。こちらでは養殖になりますが、アジが購入できます。
本当に天然の鮮度の良いアジを食べたいなら、釣りをすることも良いです。湘南でも千葉内房、東京湾、外房、湘南、伊豆、駿河でもアジは居ます。
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